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神と黒蟹県 | 絲山秋子

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絲山秋子さん最新小説は架空の「黒蟹県」を舞台にした連作小説。(サイン本ではありません、通常本です)

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(出版社による紹介文)

「黒蟹とはまた、微妙ですね」
微妙、などと言われてしまう地味な県は全国にたくさんあって、黒蟹県もそのひとつだ。
県のシンボルのようにそびえたつのは黒蟹山、その肩に目立つ北斎が描いた波のようにギザギザの岩は、地元では「黒蟹の鋏」と呼ばれ親しまれている。県庁や裁判所を有し、新幹線も停まる県のビジネス拠点としての役割を担う紫苑市と、かつての中心地で歴史的町並みや重要文化財である黒蟹城を擁する灯籠寺市とは、案の定、昔からの遺恨で仲が悪い。空港と見まごうほどの巨大な敷地を持つショッピングモールの先には延々と荒れ地や牧草地が続き、廃業して解体されてしまって今はもう跡地すらどこだかわからない百貨店に由来する「デパート通り」はいつまで経っても改称されず、同じ姓を持つ住民ばかりの暮らす村がある。
 つまり、わたしたち皆に馴染みのある、日本のどこにでもある「微妙」な県なのだ。
この土地に生まれ暮らす者、他県から赴任してきた者、地元テレビ出演のために訪れた者、いちどは故郷を捨てるもひっそり戻ってきた者、しばしば降臨する神(ただし、全知全能ならぬ半知半能の)。そういった様々な者たちのささやかでなんてことないが、ときに少しの神秘を帯びる営みを、土地を描くことに定評のある著者が巧みに浮かび上がらせる。

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(担当編集者より)

2003年に「イッツ・オンリー・トーク」で文學界新人賞を受賞してデビューした絲山秋子さんが、作家生活20周年の節目に上梓される連作小説集『神と黒蟹県』。
絲山さんがゼロから作り上げた「黒蟹県」を舞台に繰り広げられる群像劇です。
「文學界」掲載時から、読んだ方に「黒蟹県のモデルって、〇〇県でしょう?」と訊ねられることがしばしばありました。答えはすべて、ノーです。著者いわく、現実にある具体的な土地を舞台にすると、気をつけて書かなければいけないことが多いけれど、架空の県を設定したことで、とにかくリアリティに徹して書くことができたと言います。その結果、これって自分が住んでいるあたりの……と誰もに思わせる、よくある地味な地方都市、の姿が見事に浮かび上がったのです。
「直感で蒲田に住むことにした」の一文でデビュー作を始めて以来、さまざまな土地を描き続けてきた著者の到達点を、ぜひご堪能下さい。

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四六判・240ページ

送料:300円

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