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『土偶を読むを読む』
¥2,200
大ヒット、著名人からも絶賛、ついにはサントリー学芸賞まで獲ってしまった竹倉史人『土偶を読む』は、旋風を巻き起こす一方で、多くの考古学研究者からその問題点を指摘されている。本書では『土偶を読む』を検証・批判しつつ、縄文研究の現在位置を俯瞰する。また、専門家の役割とは、専門知とは何かを問う。非常に興味深い一冊。 ーーー 【『土偶を読む』の検証は、たとえれば雪かきに近い作業だ。本書を読み終える頃には少しだけその道が歩きやすくなっていることを願う。雪かきは重労働だ。しかし誰かがやらねばならない。(望月昭秀)…はじめにより】 ーーー 四六判 ハードカバー 432ページ 送料:300円
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自閉症が文化をつくる | 竹中均
¥2,530
ーーー 伊藤若冲やアルチンボルド、アンディ・ウォーホルやエリック・サティ、ルイス・キャロルやコナン・ドイルらが生み出した文化には、時と場所を越えて不思議な共通点がある。ぴったりとはまらない人々がつくる、ぴったりとはまる文化とはどのようなものか。文化史の地層から「自閉文化」の鉱脈を掘り起こし、リアリズムと合理性に依存する「健常」で「定型」な近代を問い直す。 ー 【目次】 はじめに 第1部 自閉症がつくる文化 第1章 若冲からチューリングへ 第2章 常数としてのマニエリスムと自閉症 第3章 自閉症とは何か 第4章 「自閉文化」の特徴 第2部 世界はそもそもパズルである 第5章 迷宮と蒐集──ルドルフ二世とアルチンボルド 第6章 「不思議の国」は「驚異の部屋」──ルイス・キャロルとアリス 第7章 名探偵・妖精・心霊──コナン・ドイルとホームズ 第8章 点と線──エリック・サティの奇想の音楽 第9章 缶詰が並んでいる──アンディ・ウォーホルの凍りついた宇宙 第10章 パズルと対位法──グレン・グールドの録音スタジオ 第11章 マシンと夢──村上春樹のジグソー・パズル 第12章 コンビニ空間──村田沙耶香と「世界の部品」 第13章 「おひとりさま」の可能性──上野千鶴子の「離脱の戦略」 第14章 ゲームと機械──榎宮祐のライトノベル異世界 第3部 ずれた世界でよりよく生きる 第15章 『アリス』のパラドクス──自己言及を字義通り生きる 第16章 笑いのワンダーランド──二つの世界 第17章 自閉症から認知症へ──プロセスと崩れ おわりに ーーー 四六判 ソフトカバー 270ページ 送料:300円
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山岳新校、ひらきました 山中でこれからを生きる「知」を養う
¥1,980
ーーー 一度走り出したものは、止められない止まらない。今必要なのは、惰性に流されず、慣性に埋没しない力ではないか?「加速する社会からの撤退」をキーワードに、豊かな自然と歴史文化が根づく奈良・奥大和の地で、これからの人生を考える学びの場「山岳新校」。この取り組みを支える現状分析と思想=論考に加え、学校での実践の様子を収めた、記録集。 執筆者=(奈良県立大学地域創造研究センター撤退学研究ユニット)堀田新五郎,作野広和,林尚之,坂本大祐,青木真兵,松岡慧祐,西尾美也,梅田直美(寄稿)伊藤洋志,仲子秀彦,中森一輝,八神実優,「みちのり」参加者のみなさん ーーー B5変型判 208ページ コデックス装 送料:300円
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17歳のための世界と日本の見方 | 松岡 正剛
¥1,870
強すること、知と知をつなげていくことが楽しくなる本。書評サイト『千夜千冊』等で知られる著者・松岡正剛さんが、大学一年生向けに受け持っていた「人間と文化」の講義をもとにした本。読んでいて好奇心が刺激される。とにかく楽しい。高校生の時に読みたかった(勉強に対してやる気が出たはずだから)と思うけど、もちろん何歳で読んでも楽しめる。 この本で「見取り図」「好奇心」「きっかけ」を与えてもらったら、気になった分野について専門書や原典をあたっていくという学びの道筋がおすすめ。 ーーー 【目次】 第1講 人間と文化の大事な関係 第2講 物語のしくみ・宗教のしくみ 第3講 キリスト教の神の謎 第4講 日本について考えてみよう 第5講 ヨーロッパと日本をつなげる ーーー 四六判 ソフトカバー 363ページ 送料:300円
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『恋愛の授業』丘沢 静也
¥2,200
ーーー 「恋愛作法の達人になるのは、ふふ、無理だろうけど、「恋する私」や「失恋した私」をながめる眼鏡くらいは、手に入るかも」(「シラバス(2019前期)」より) 「恋愛学」と学生の間で呼ばれた都立大学の人気授業を書籍化! 恋愛に正解はない――だからそれは自分や他人について考える絶好の機会になる。 オペラ、文学、哲学、映画、ドラマなど多彩な素材から繰り出される問いの数々と、出席者の等身大の声でつくりあげられた異色にして極上の授業の報告。 金曜4限の「ドイツ語圏ドイツ文化論」、学生たちがつけたまたの名を「恋愛学」。2010年頃に始まったこの授業は、「彼(彼女)にも受講してほしい」と口コミで広がり、ついには参加者200名超にも及ぶ人気講義になりました。 《カルメン》や《ドン・ジョヴァンニ》などのオペラ、太宰治の恋文、ヴィトゲンシュタインの哲学、『存在の耐えられない軽さ』にドラマ『あまちゃん』まで、多彩な素材をもとに恋愛について考えます。 授業を彩るもうひとつの重要な要素が授業のリアクションペーパー、通称「紙メール」。「草食化」、「恋愛離れ」というレッテルを貼られがちな20代の等身大の声を導きの糸に、授業は縦横無尽に展開していきます。 恋は、がんばったからといって上手くいくものではありません。相手の気持ちはもちろん、自分の気持ちもコントロールできない。「私は、私という家の主人ですらない」(フロイト)のが人間です。コントロールできない局面でどうふるまうか――。恋愛に正解はありません。だからこそ恋について考えることは、「私」やコミュニケーションについて考えを深める、またとない機会でもあります。 「パルラ・バッソ(低い声で語れ)」、「捨恋」、「オイラー図」、「136問題(「伝えたいことが10あったとする。文字情報で伝わるのは1。声の調子や表情や身ぶりなどで伝わるのは3。残りの6は伝わらない」)」……ユニークで一度聞いたら忘れられない合言葉の数々。思わず自分の恋も語りだしたくなる? 感情揺さぶる〈実況中継〉講義。 ーーー 四六判 ソフトカバー 328ページ 送料:300円
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旋回する人類学 | 松村圭一郎
¥1,650
ーーー 文化人類学ってどんな学問? 黎明期の先駆者たちから、ラトゥール、インゴルド、グレーバーまで。繰り返されてきたパラダイム・シフト(=転回)と研究者たちの「格闘」の跡をたどり、現在地を探る。 6つのテーマ(人間の差異、他者理解、経済行動、秩序、自然と宗教、病と医療)を取り上げ、ぐるぐるめぐり歩きながら考える、文化人類学の新しい入門書。 【「はじめに」より】 「文化人類学ってどんな学問ですか?」そう聞かれると、いつも言葉に詰まる。「昔は未開社会といわれた民族を研究していたんですが、いまは病院とか、企業とか、軍隊とか、現代的な場所も対象になっています」。そんな言い方をして顔色をうかがう。納得いかない様子なら、「ただフィールドワークという現場に深く入り込んで調査する手法は一貫しています」などと言葉をたす。 うまくストレートに説明できないのは、文化人類学が何度も大きなパラダイム・シフト(=転回)を経験してきたからだ。研究対象が変わるだけでなく、学問の前提となる理論的枠組みがたびたび入れ替わってきた。その変化は、かならずしも連続的な「発展」ではない。むしろ「断絶」や「亀裂」でもあった。そこには、人類学者たちが先人の築いた基盤やその時代の支配的概念を批判的に乗り越えようと格闘してきた足跡が刻まれている。 (中略) 私たちはいったいどんな世界をつくりだそうとし、現実にどう世界を変えてきてしまったのか。それは、人類学という一学問に限らず、いまの時代を生きるすべての人にとって切実な問いである。人類学の一筋縄ではいかない旋回の軌跡をたどりなおす過程は、その問いへの向き合い方がいくつもありうることを確認していく作業でもある。 ーーー 【目次】 1章 人間の差異との格闘 1 「差異」を問う 2 構造のとらえ方 3 未開と近代 2章 他者理解はいかに可能か 1 他者理解の方法 2 揺らぐフィールドワーク 3 存在論へ 3章 人間の本性とは? 1 社会から個人へ 2 形式主義と実体主義 3 近代への問い 4章 秩序のつくり方 1 法と政治の起源 2 国家と政治 3 国家なき社会 5章 自然と神々の力 1 宗教とアニミズム 2 神の概念 3 自然と人間 6章 病むこと、癒やすこと 1 災いの原因 2 医療人類学の地平 3 ケアの視点 7章 現在地を見定める 1 二分法を問い直す 2 変革と実践の学問へ ーーー 四六判 ソフトカバー 256ページ 送料:300円
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「専門家」とは誰か | 村上陽一郎 編/著
¥1,980
わたしたちは何を信じればいいのか?不信をぬぐい、対立を越えて――激しく揺れ動く社会で求められる知のありかたに9つの観点から迫っていく 危機が訪れればたちまち、さまざまな「専門家」が現れ、種々の「専門知」が入り乱れる。多くの人たちは翻弄され右往左往させられることが世の常となっている。それは新型コロナウイルス禍でいっそう明らかとなった。これまでも起きてきた、これからも起きるだろう。わたしたちは誰を信じればいいのか?何を指針とすればいいのか?科学、テクノロジー、歴史、メディア……多彩な分野から執筆陣を招き、専門知のあり方を問いなおす論考集。求められる知の実体を探り、どのように社会に生かすことができるかを考える。 【目次より】 ◆専門家とは何か――村上陽一郎 ◆隣の領域に口出しするということ: 専門家のためのリベラルアーツ――藤垣裕子 ◆科学と「専門家」をめぐる諸概念の歴史――隠岐さや香 ◆「ネガティブ・リテラシー」の時代へ――佐藤卓己 ◆ジャーナリストと専門家は協働できるか――瀬川至朗 ◆リスク時代における行政と専門家: 英国BSE問題から――神里達博 ◆女子教育と男子教育からみる「教養」と「専門」――佐伯順子 ◆社会と科学をつなぐ新しい「専門家」――小林傳司 ◆運動としての専門知: 対話型専門知と2061年の子どもたちのために――鈴木哲也 ーーー 四六判 ソフトカバー 264ページ 送料:300円
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聖書を読むたのしみ(ICU選書)
¥1,760
西洋文化の根底には聖書があるが、多くの日本人は聖書についての知識をあまり持ち合わせていない。それに、聖書は魅力豊かな書物でもある。ICU(国際基督教大学)において生涯学習の聴講生向けに行われた、同名の連続講義をもとにした本。1999年刊行なので店主がICU在学中に刊行されたことになりますが、この本のことを知ったのは最近です。 旧約編をお書きになっている並木先生の授業を履修したことがありますが、「なるほどこれが『教養』というものかと、非常に面白いと感じたのを覚えています。旧約編「聖書は教義の書物ではない」とか、新約編「イエスの言行録たる四つの福音書(マルコ・マタイ・ルカ・ヨハネ)のうち最初の三つは『共観福音書』と呼ばれおおよそ共通の題材を扱っている。マルコの福音書が最初に書かれているが、クリスマスの話が始まるのはマタイとルカからである」とか、興味深い話がどんどん飛び出します。 ーーー A5判 ソフトカバー 239ページ 送料:300円
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自由に生きるための知性とはなにか ――リベラルアーツで未来をひらく
¥2,420
自分のモヤモヤを問いに変え、他者とともに考えはじめたとき、自由な未来への扉がひらく。第一線で活躍する専門家が集結、学問領域を越えて、自由に生きるための知性を語り尽くす。 ーーー 目次 はじめに(立命館大学教養教育センター) 【第1部】シンポジウム(立命館創始150年・学園創立120周年記念シンポジウムより) 01 基調講演 わたしを発見する知――リベラルアーツと当事者研究(熊谷晋一郎) 02 スピーチ リベラルアーツの現在・過去・未来 02-1 東工大リベラルアーツの挑戦(上田紀行) 02-2 文系と理系の歴史から考える、リベラル・アーツのこれから(隠岐さや香) 02-3 アジア発、“未来の共通言語”となる知とは(山下範久) 03 パネルディスカッション 「能力主義」を越えるリベラルアーツ(熊谷晋一郎×上田紀行×隠岐さや香×山下範久/モデレーター:松原洋子) 質疑応答 「自由」とは、どういうことなのでしょうか? 注の引用・参照文献、ウェブサイト 【第2部】トークセッション(オンライン企画「SERIESリベラルアーツ」全10回より) 【パート1】社会を生きる 01 差別ってなんだろう?――#BlackLivesMatterを通して考える(坂下史子×南川文里) 02 なぜ人はあいまいさを嫌うのか――コントロールしたい欲望を解き放つ(小川さやか×美馬達哉) 03 わたしの“モヤモヤ”大解剖――わがまま論・つながり論を切り口に(飯田豊×富永京子) コラム1 〈自由〉な空間で生きる、学ぶということ(瀧本和成) 【パート2】人間を考える 04 人間関係のデモクラシー――“家族”から思考する(柳原恵×横田祐美子) 05 食のミライ――フードシステムとヴェジタリアン運動から考える(北山晴一×新山陽子) 06 わたしの“好き”を見つける――映画と音楽を切り口に(大﨑智史×小寺未知留) 07 まちあるきのすゝめ――迷える身体に向けて(加藤政洋×原口剛) 08 経済乱世を生きる――成長と分配と(熊澤大輔×田中祐二) コラム2 自由に生きる知性とはなにか(田中祐二) 【パート3】学びを続ける 09 その相談、あの本なら、こう言うね。――本が答える人生相談(瀧本和成×山本貴光×吉川浩満) 10 本を読む、ものを書く、編集する――本づくりの現場から(坂上陽子×瀧本和成×山本貴光×吉川浩満) おわりに(松原洋子) ーーー A5判 ソフトカバー 454ページ 送料:300円