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『ロマニ・コード 謎の民族「ロマ」をめぐる冒険』角 悠介
¥2,200
あまりに面白い本。著者の角悠介さんは東欧を拠点にロマの言葉ロマニ語を駆使してフィールドワークしてきた言語学者。高校卒業後ラテン語を学ぶためルーマニアに留学し、卒業後ハンガリーの大学に進学、ロマの言語「ロマニ語」を学び、ふたたびルーマニアに戻ってトランシルバニア地方のロマの集落に二年間通って彼らの方言を研究。ブカレスト大学のロマニ語学科で言語学博士課程を修了したのち、ルーマニア国立バベシュ・ボヨイ大学で「日本文化センター」所長、文学部ロマニ語講師を務めつつ、神戸市外国語大学の客員研究員としてベラルーシのロマニ語を研究しているという、経歴だけで既に面白すぎる方。 ロマ(完全に同義ではないがジプシーと呼ばれることも多い)については個人的にも以前から興味を持っていたのですが、国を持たないこと、文字も持たないこと、ヨーロッパではトラブルメーカーのイメージが強く関わろうとする人が少ないこと等の要因からその実情に迫るような本はあまりなく、好奇心が長年宙吊りになっているような状態でした。まさか日本人でロマニ語、ルーマニア語、ハンガリー語(ベラルーシ語や英語も)を駆使してロマのコミュニティにどっぷり入り込んで研究しているこんな人がいたとは。そして案の定他の誰にも書けないであろう内容に興奮しっぱなしでした。 ロマに興味がある人、言語学に興味がある人、世界の知らない部分を知る興奮を味わいたい人に。 ーーーーー ーーーーー 「分断」がすすむ今の世界で、したたかにボーダレスに生き抜く術がここにある! 私はずっと「定義された世界」を生きていた。それは一種の「仮想世界」であり、彼らが生きる「実世界」とは異なるものであった(本文より) 彼らは毎日激しく生き、死んだように眠る。死んだように眠ったら、生き返ったように目覚める。毎日が誕生日で毎日が葬式だ。だから毎日笑え、泣け、話せ、愛せ、怒れ、歌え、踊れ!(本文より) 情熱的な音楽、舞踏、魔術……神秘的なイメージで捉えられてきたロマ。若き言語学者がロマの世界に飛び込んだ! 見えないルールや境界線に息苦しさを感じている、すべての人に贈る一冊!! ーーーーー ーーーーー 【著者プロフィール】 角 悠介(すみ ゆうすけ) 1983年東京生まれ。言語学博士。 ルーマニア国立バベシュ・ボヨイ大学「日本文化センター」所長・文学部ロマニ語講師。神戸市外国語大学客員研究員。アテネ・フランセ講師(ラテン語)。全日本剣道連盟杖道六段。 2013年より「国際ロマ連盟(IRU)」の議会議員・日本代表を務め、独自の国を持たないロマ民族の最高会議「世界ロマ大会」にも参加。東欧・旧ソ連圏でロマニ語方言研究を行い、言語を通じたロマ民族への貢献により、2019年に北マケドニア共和国ロマ文化団体「ロマノ・イロ」、2022年に「欧州議会」、2023年に「国際ロマ連盟」から表彰・感謝状を授与される。 著書に『ニューエクスプレスプラス ロマ(ジプシー)語』(白水社、2021年)等がある。 ーーーーー ーーーーー 四六判 ソフトカバー 352ページ 送料:300円
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日本語界隈 | 川添愛 ふかわりょう
¥1,760
ことばが気になって仕方がないふかわりょうさんが、『言語学バーリ・トゥード』などの著書が大人気の言語学博士/作家 川添愛さんにさまざまな疑問をぶつける、気軽に読める対談本。 ーーー (出版社による紹介) ちょっとした日本語の言い回しでモヤモヤしているふかわさんと 気鋭の言語学者・川添愛さんが、 「言語学」という枠を超えて、 日本語のユニークさと奥深さを楽しむ、異色の対談集。 ●トマトトマトしている!? ●「冬将軍」はあっても、「夏将軍」はない? ●「普通においしい」の「普通」って? ●「昼下がり」でなく、「昼上がり」なら情事はない? ●日本人が「ドラクエ」と略してしまうワケ ●「サボる」「ヤバい」の由来は? ●「汚い」と「小汚い」、どちらが汚い? 身近なのに意外とややこしい!? 繊細かつ頑固な「日本語」の素顔に迫る! ーーー 四六判 ソフトカバー 238ページ 送料:300円