メタゾアの心身問題 動物の生活と心の誕生 | ピーター・ゴドフリー=スミス
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『タコの心身問題』の著者が、心の進化の海にますます深く潜行する待望の一書。「メタゾア」は多細胞の動物を指すためにE・ヘッケルが導入した言葉だ。メタゾアの生物の進化は、たんに複雑さをもたらしただけではなく、それぞれに独特なあり方、新しい「自己」を生み出しつづけた。タコの経験、ヤドカリの経験、魚の経験……こうしたすべての動物を経験する存在にしているのは何だろう? 現生の生物たちを手がかりに、さまざまな感性のパラダイム、そしてその進化的起源を探っていく。
著者にとってその探究は、海の生物たちとの、美しく体感的な出会いと結びついている。タコの集住地「オクトポリス」を訪れ、タコの「自己」は頭部に1つあるのか、「1つ+8本」に分散しているのか、あるいはそれらの状態を切り替えているのか?という興味深い問いに迫る第6章、水の中を飛び回る魚たちの感知能力や賢さに接して、神経系が作りだす電場について思索を深める第7章など、海洋生物の生活の細部を間近で観察することが、そのまま科学と哲学の「謎が謎を呼ぶ作業」でもある。
著者は幅広い動物が〈感じられた経験〉(広い意味での意識)をもっていると認め、意識があるか・ないかという二分法を超えて、心の発生についての「包括的な説明」を試みている。驚きの生物進化読本。
【目次】
1 原生動物
階段を下りる/物質・生命・心/ギャップ
2 ガラスカイメン
タワー/細胞と嵐/電荷を飼いならす/メタゾア/ガラスを通って差す光
3 サンゴの新たな一手
身体を起こす/動物による最初の行為を求めて/動物がたどった道/アヴァロンからナマへ/グリップ力
4 一本腕のエビ
マエストロ/カンブリア紀/動物の感知能力/知りたがりのヤドカリ/もうひとつの道/着飾るカニ/グッバイ
5 主観の起源
主観・行為者・自己/クオリアとその他の謎/感覚を超えて/ナイトダイブ
6 タコたち
大暴れ/頭足類の繁栄期/複数の制御系統/オクトパスウォッチング/タコとサメ/統合と経験/星の中に潜る
7 キングフィッシュ
パワー/魚類の歴史/泳ぎ/水の存在/ほかの魚という他者/リズムと場/引き裂かれる流れ
8 陸上の生活
温室/リーダー復活/感覚・痛み・情動/多様性/植物の生態
9 鰭、脚、翼
多難の時代/私たちの枝/陸と海の役割
10 徐々にかたちに
1993年/ここではないどこか/徐々に統合される/帰結/「心」のかたち
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四六判 ハードカバー 376ページ
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